7日目:2009年5月8日(金):高知市〜大歩危・小歩危〜祖谷渓(かずら橋)〜剱山〜徳島市

8:21 晴れました

 朝、起きたときは曇っていましたが、チェックアウトを済ませ外に出たときには雲は切れて青空がのぞいていました。

 
8:21 出発です

 ツーリング2日目にオイル漏れが発覚しましたが、ホテルの駐車場に一晩置いてもオイルが垂れているようなことはありません。
 漏れているとしても滲む程度で、重症ではなさそうです。
 明日は帰りますので、あと2日、このまま保って欲しいものです。

 オイル漏れに気付いてからは、いきなりオイルを噴かないよう気を付けて、エンジンの回転数は最高でも8,000rpm程度に抑えて走っています。
 (四国の道自体、スパースポーツのリッターマシンを全開にして走るようなところが、あまり無いのも事実ですが)
 おかげで燃費は良いですね。


 今日は、高知市を出発して、大歩危・小歩危に行き、そのあと祖谷渓を巡って、剣山を通って、初日に宿泊した徳島市まで行きます。


 本日走り初めの距離は、14,856km
8:41 高知市を出発

 高知市を出発して、まずは国道32号線を東進。

 高知市の市街地は交通量も多く流れが悪かったので、国道195号線にエスケープ。
 エスケープはしたものの、こっちの道は片側1車線で、もっと流れが悪かったです。はずしました。

 国道195号線は、市電の土佐電鉄と並行して走っています。
 
 
8:49 国道32号線

 国道195号線を国道32号線との交差点まで進み、左折して再び国道32号線に入り、北上を開始します。

 ここまで来れば、市街地も終わり、国道はスムーズに流れていました。

 午前中、高知市周辺の天候は大丈夫ですが、これから向かっている徳島市は午前中天候が不順の様です。
 ただ、それも午後には回復すると予報なので、それを期待しましょう。
9:00 山間部へ

 国道32号線を北上し、山間部に入ってきました。

 国道32号線は、高知県高知市と香川県高松市を結ぶ一般国道です。
 今では高知自動車道が開通していますが、高速料金を支払うまでもない緊急性の低い物流は、この国道32号線を利用しています。
 そのため、流れてはいますが、大型のトラックなどの交通量は比較的多いです。
 
 山間部に入り、適度な勾配と中速コーナーが連続する区間はスーパースポーツに適当な区間ですが、ちょっと四輪車の台数は多いですね。
 ただし、上りの区間については、適当に登坂車線があるので、ストレスはありません。
9:43 大歩危

 国道32号線を北上し徳島県に入り、吉野川の左岸を走り大歩危峡に到着しました。

 大歩危峡は、剣山国定公園内に位置し、露頭した大きな岩塊や奇岩、急峻な斜面にへばり付くような新緑そして吉野川の清流が大自然の険しさを感じさせてくれます。
9:51 ここでもコイのぼり 

 昨日の四万十川に引き続き、ここでも川を渡るコイのぼり。

 昨日同様、対岸のワイヤーはどうやって止めに行くんだろう。とどうでも良いことを考えてしまう。

 ちなみに、コイが向いているのは下流側。
 正確に書くと、”コイくだり”。
 そう言う、どうでも良いことを書いていると、人間の器の小ささがばれてしまう。

 
9:57 ここから小歩危峡
 
 国道32号線をさらに北上し、大歩危峡の下流に位置する小歩危峡まできました。

 小歩危峡は、大歩危峡よりも川幅が狭く、日本最大の激流と言われているそうです。

 
10:15 県道32号線へ

 小歩危峡からさらに国道32号線を北上します。

 途中、ここ祖谷口(いやぐち)の交差点を右折し、今度は県道32号線に入り、祖谷渓(いやけい)を目指します。


 
10:18 県道32号線で

 祖谷渓を走る県道32号山城東祖谷山線をかずらばしを目指して南東に進みます。

 
 
10:18 すぐに一車線

 当初、センターラインのある片側1車線の道路でしたが、すぐにセンターラインはなくなり、対面の1車線の道路に変わりました。
 それでも、この県32号線はバスが通行することもあり、2日目に走った国道193号線ほどは狭くなく、路側帯の白線は引かれています。

 今日は平日と言うこともあってか、観光の車をほとんど見かけることはなく、土木工事の車を見かける程度です。
 
 
10:29 途中バス停が

 県道32号線を進んでいると、途中何カ所か山道の途中にポツンとバス停を見かけます。
 しかも周りに民家らしきたてものは皆無です。

 だれが下りるんでしょうね。
 
10:43 小便小僧

 誰が建てたかしりませんが祖谷渓のモニュメント的存在の小便小僧。

 
10:46 大丈夫か

 この小便小僧が立っているところは、こんな垂直に切り立ったところ。

 小便小僧が立っているところも凄いが、こんなところに道を作って大丈夫か?
 と言う前に、こんなところに道を作ろうと考えること自体が凄い!

 ガードレールは気休めだね。

 このガードレールを取り付ける工事は、自分には出来ない。怖すぎる。
 
10:47 のぞき込むと

 上からのぞき込むと、目茶苦茶高い!100mは裕にありそう。

 もともとは、地元の子供たちが度胸試しに、ここから立ち小便をしていたらしい。
 とっても、イイ度胸だ! イヤ無謀だ。
11:08 祖谷渓温泉からは

 小便小僧を後にして、さらに南下します。

 県道32号線の途中にある祖谷渓温泉をすぎると幅員も広がり、センターラインのある1車線の県道になります。
 祖谷渓温泉へのアプローチは、こちら側からがメインですね。
11:16 かずら橋に到着

 県道32号線を進み、かずら橋に到着しました。

 かずら橋は国の重要有形文化財に指定されている。
 橋の長さは45mほどで、もちろん人専用。
 ”蔓(かずら)”と言う植物を材料にして作っていることから、そう呼ばれている。
 昔は祖谷渓にはいくつものかずら橋があったらしい。
11:21

 このかずら橋、渡ることができます。ただし、通行料って言うのかな¥500。

 歩く部分はさな木と呼ばれる丸太が組まれているだけなので、下の川が丸見えです。
 当然揺れるので、遊園地のアトラクション並のスリルを味わえるみたい。
 自分は500円をケチって、渡らなかった。

 3年に1度架けかえをするそうなので、それなりに維持費用はかかるだろう。
11:40 祖谷そばを食す。

 今回の四国ツーリングでうどんは食べたかったのはもちろんですが、もう一つ食べたかった麺類がこれ、祖谷そば

 窓からかずら橋を眺めながら、祖谷そばが食べられるお店、いこい食道に入りました。

 祖谷渓は急峻で水はけの良い土地と、昼夜の寒暖差の激しい山岳地帯の気象のおかげで良い蕎麦粉が採れるそうです。
 その蕎麦粉で作ったのが祖谷そばです。

 祖谷そば ¥550。通行料はケチっても、食べ物はケチらない。(汗)
11:41 いただきます

 さっそく、祖谷そばをいただきます

 祖谷そばは、もともとつなぎをほとんど使わなかったため、太く短いのが特徴だそうです。
 実際、そばは割り箸と同じくらいの太さで、長さは5cmくらいと、自分が打つ蕎麦より短めです。(笑)
 つゆはやはり関東風とは違い、イリコを使った甘みの強いもので、醤油も薄口醤油を使い透き通っています。
 
 元来の祖谷そばとは違い、これはかなり使っているみたいですがぁ。
 そばの味・香りともかなり控えめで、伸びたような食感でした。期待していたものと違い、残念。

11:45 ごちそうさまでした

 薄口醤油がベースのつゆと、青ネギが、関東の蕎麦を食べ慣れた自分にはピンときませんでした。 

 完食です。

 ごちそうさまでした。


12:01 次

 一杯の祖谷そばを食べただけで、『祖谷そばって、○○ですよ』と語るほど、図々しい感性は自分、持ち合わせておりません。
 (単にそばをたくさん食べたいだけの理由付け?)

 次の店に来てみました。

 お品書きを見て、祖谷そばがないので、お店の人に『祖谷そばないんですか?』と聞くと、『全部祖谷そばです』と言われました。
 このそば屋さんは”祖谷産の蕎麦粉で作ったそば”を食べさせてくれるお店の様です。

 ※ 祖谷そばと言われていますが、”祖谷そば”のちゃんとした定義が無いようです。

12:03 ざるそば

 注文したのは、ついさっき蕎麦を一杯食べたこともあり、一番量が少ないであろう”ざるそば”を注文しました。

 さっそく、いただきます。

 蕎麦自体は、香りも良く味もしっかりしていて、9割くらい蕎麦粉が入っている感じで美味しいです。
 蕎麦つゆは、先ほどのお店とは異なり、鰹出汁をしっかり取った関東風(?)。

 ただし、ネギはやっぱり”白ネギ”が好みですね。
12:06 ごちそうさまでした

 見たとおり、量も少なかったこともあり、きっちり完食です。
 期待と違う物が出てきましたが、美味しかったです。

 ご馳走様でした。

 ¥700と、量と価格が都会並みでした。


 でも、わざわざ祖谷渓まできたのですから、昔から戸々の家々で食べられていた祖谷そばを食べてみたいものですね。
12:07 祖谷産のそば

 祖谷産の蕎麦で作ったそばを食べたいときは、県道32号線を剣山に向かって行くかずら橋の2kmくらい手前、祖谷川沿いにある、こちらへ。

 そばは美味いです。
12:24 剣山方面へ

 かずら橋から県道32号線を南下して、県道439号線まできました。
 ここを左折して、剣山方面を目指します。

 
12:26 国道439号線

 国道439号線を剣山方面に向け、東進します。

 剣山までは27km。

 国道439号線は、酷道マニアの間での愛称は”与作酷道”、インターネットにたくさん走行録が載っています。

 この区間は当然改良が終わり、きれいに整備された区間であることは言うまでもない。
12:48 温泉寄ります

 四国にはたくさんの温泉がありますが、考えてみれば今まで道後温泉しか行っていませんでした。

 剣山まではもう少し。
 今日、徳島市まで走る距離は多くはなく、時間的な余裕があります。

 ツーリングマップルに道すがら”いやしの温泉郷”と言うのがあったので、寄ってみることにしました。

 望むべくは、弘法大師によって開湯された1,000年以上の歴史のある温泉・・・・なんて言うものに入ってみたかったのですが、行ってみたら、まさに近代温泉。
 「ボーリングマシンで地下千何百メートル掘削。村民の暑い熱意が通じて、泉源を掘り当てました」って書いてありました。
 
12:56 入湯

 入湯料¥1,000と、この場所にしては高い。

 地方自治体もしくは第3セクターによって運営されているようで、とっても立派な建物です。
 入湯料も高くなりますね。
13:02 貸し切りです。

 風呂場に入ってみると、他にだれもいません。

 まさに貸し切り状態。せっかくなので、写真をとらせていただきました。
 
 新しいだけあって、清潔感がありきれいな温泉です。
 お湯は香りはなく、湯あたりのやわらかい感じの良いお湯でした。
 ただし、湯船の中の木は目茶苦茶すべるので、注意!

13:56 奥祖谷 かずらばし

 温泉に浸った後、国道439号線をさらに東進し、奥祖谷にあるかずらばしまできました。

 国道から川に下りていくと、大小2つのかずら橋があるそうです。
 先ほどの西祖谷のかずら橋が、あまりにも有名になり俗化されてしまったので、最近はこの奥祖谷のかずら橋が人気を集め始めているそうです。
 ただし、西祖谷のかずら橋は料金を払わなくても近くで見ることができましたが、ここ奥祖谷のかずら橋は川に下りていく道の手前で料金を徴収しているため、お金を払わないと、その姿さえ見ることができません。
 そう言った意味で、なかなか見ることができない秘境の橋ですね。(笑)
 ちなみに、料金は西祖谷と同じ¥500。

 料金を払う気がない自分は当然、姿を見ることもできませんでした。
 標高が高いこの辺りでは遅咲きの八重桜が咲いていました。
14:12 剣山に到着
 

 剣山の登り口に到着しました。

 剣山は、石鎚山に次ぐ四国第二峰で標高1,955mあります。
 頂上までは、標高1,420mの地点にある駐車場からリフトで登ることができます。
 今日、上の方は残念ながら雲が覆われていたため、頂上を見ることができませんでした。
 頂上からも、雲の中に入っていて「下界を見ることができなかった」とリフトから降りてきた人が言っていました。

14:23 国道438号線

 剣山の駐車場をすぎると、国道439号線は、国道438号線に変わります。

 ここから国道438号線は徳島市に向かい東進し、山道を下っていきます。
14:32 相変わらず酷道

 酷道438号線を東進しますが、相変わらず道は酷道。

 舗装のひび割れ、土砂、斜面からの湧水などで、ロードバイクを気持ちよく走らせる環境ではありません。
 ここ1週間の四国ツーリングですっかり慣れましたが、しっかり飽きました。
14:32 コリトリ

 剣山を出てからしばらくして出てきた標識。

 コリトリまで○km。

 道は1本道なのに、500m毎に標識が出てくる不思議さ。
14:37 コリトリまで3km

 標識を良く見ると、わざわざ英語でまで書いてある。

 ”コリトリ”ってなに?


14:38 コリトリまで2.5km

 コリトリって、肩こり取り?

 真実まで、2.5km
14:40 2kmはとばして

 2kmの看板あったんですが、走っていて通過しちゃました。
 わざわざ戻って写真を撮るまでもないので、パス。

 帰宅後、ネットでしらべましたが、このコリトリの看板10.5km手前からあるそうです。
 500m毎にあるそのコリトリの看板をすべて写真に収めて、ブログにアップしているマメな人もいます。

 待望のコリトリまで、1.5km。
14:43 待望のコリトリ

 1km→500mのカンバンはパス。

 待望のコリトリに到着です。

 あったのは、この”垢離取”のカンバンのみ。

 周囲を見渡しても、何も見あたりません。


 単に”コリトリ”の漢字の書き方クイズだったのか?
 疑問が残る
15:20 国道193号線

 国道438号線を東進して、2日目に走った酷道193号線との交差点まできました。
 ここからしばらく、国道438号線はは国道193号線と共有して走ります。
 
 2日目はこの国道193号線を左から来て真っ直ぐ、南下しました。
15:22 すぐに分離

 国道193号線との共用区間を1kmほど走るとちょっとした集落があります。
 ここで、ふたたび国道193号線と分離します。

 出ている標識はこれだけ。
 直進すると国道438号線。右折すると国道193号線。
 国道193号線に行きたい人は、この標識を見落とすと、直進して国道438号線に入ってしまいます。

 自分も2日目、危うく見落として直進するところでした。

 ただ、今回四国を回ってみて思ったことは、他の都道府県と比べて標識が分かり易い。
 特にお遍路さんが歩く道沿いは、とても親切だ。
 まあ、皮肉って言えば、迷うほど道が多くないと言えばそれまでだが・・・
 
15:39 道の駅 温泉の里神山 

 国道438号線をさらに東進して、途中にあった道の駅"温泉の里 神山”で駐まりました。

 ここで、ちょっと休憩。

 なんでここで壁に掛かったお品書きの写真が出ているかと言うと・・・・
 食べたからですよ!

 今日、3杯目のそば。

 どうも、祖谷渓で食べた蕎麦が納得いかない。
 で、かけそばを頼んでみました。
15:41 今日3杯目のそば

 今日、そば3杯目。
 まあ、量は普通ですけどね。(汗)

 で、出てきたのが、見た目祖谷そばと一緒でした。


 上に載っていたのが、ここは天かすで、祖谷そばは油揚げを細かく切ったものの違いくらいです。
 つゆも同じように、イリコ出汁ベースの薄口醤油味。
 ネギも青ネギ。

  
15:41 麺は

 で、麺は祖谷そばと同じように、割り箸くらいの太さで、長さが3〜5cmくらいと短め。
 自分の打ったお粗末な蕎麦でも、商品になりそうだ。
 でも、四国でそば屋をやっても、商売にはなかなかなりそうもない。
 やっぱ、上手くやればうどん屋の方が儲かりそうだ。

 前置きが長くなったので、さっそく、いただいてみます。

 蕎麦粉は地元の神山のものを使っているらしいです。
 お土産コーナーには、神山の蕎麦粉も販売してました。

 昼に食べた祖谷そばよりも、香り味ともありますが、まだまだつなぎが多いような感じです。
 
 相変わらず、そばは茹ですぎたような食感でクタクタ。

 
15:45 こうゆうもんかも

 クタクタの麺はつゆと一緒に流し込むと言った感じ。

 本当にこうゆう食べ物なのかもしれません。

 なんだかんだ言いながら、完食。

 ごちそうさまでした。

 イヤ〜。食は文化だねぇ。


 お腹いっぱいです。
15:47 自宅へみやげ

 基本、いつもみやげはありません。
 大体、荷物が一杯一杯で入らないんです。
 今回も、下着を4日分持ってきたかったんですが、入らないので3日分に減らしました。

 それはさておき、この道の駅 湯の里 神山で見つけた”すだち練とうがらし”。
 この小ささなら、バックの隅に無理矢理押し込める。と言うことで購入。¥530とかけそばと合わせて¥1,000。
 商品的には柚子コショウのパクリか? 大分県民が見たら文句言いそうだ。
  
 話は変わるが、ここ神山の温泉は古く歴史があるそうで、ここまで来てツーリングマップルを見て初めて気付きました。
 少々集中力が欠けてきているような。この路線も少々飽きがきているかな。
 徳島市までは、もう一息、最後ひとっ走りします。
16:46 徳島市に到着

 今夜の宿泊地、徳島市に到着しました。

 四国ツーリングの宿泊も今日が最後です。

 鳴門に泊まるか迷ったのですが、初日に泊まって、色々と便利だったので、最終日も徳島市に泊まることにしました。

 本日の走行距離

 15,093km−14,856km = 237km


 一日中走っていた割には、平均速度が遅いこともあって、距離が延びていませんね。
今日の道程


 大歩危・小歩危、祖谷渓に剣山と四国東部の山の中を走った1日でした。


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